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【コラム〜FIS野沢温泉カップ 2012】

《コラム〜2012.4.2 野沢温泉カップGS第二戦》

布施峰が野沢温泉カップに出場するようになって今年で何シーズン目になるでしょうか。野沢温泉カップには忘れられないレースがあります。2011-2012年シーズン、2012年4月2日。大会二日目のジャイアントスラロームです。

通常アルペンスキーレースは滑走スタート順が早い選手ほど有利とされていますが、この日はパックされたバーンの表面に新雪が積もる状態でのスタートとなり、布施峰を含む第1シード(スタート順1~15番)の選手は軒並みタイムが伸びません。しかし、ビブナンバー(スタート順)が進むに連れてコース表面の新雪はこれまで滑った選手により掃かれ、好タイムが出始めます。

一本目は第1シードの選手の殆どが二本目滑走の30人リバース(一本目30位以内の選手は二本目滑走のスタート順がプロテクトされる。一本目30位の選手は二本目滑走は1番スタート、29位が2番スタート…1位の選手が30番スタート。31位~は一本目の順位通り)から漏れてしまう大荒れのレース展開。会場は騒然としていたようです。布施峰も例外ではなく、30位プロテクトから漏れる44位という結果になってしまいます。

布施峰の一本目の順位を速報で目にし、この記事を記している私は不謹慎ながら「今日は峰選手の上位入賞はないな…」と思いました。現地で観戦していた布施峰に近しい後援会関係者も同様に感じたようで、一本目の順位が確定すると二本目の滑りを観ることなく会場を後にし、野沢温泉の名店「新屋」で昼食を済ませて帰宅してしまいます。

しかしこの日のレース結果、布施峰はなんと一本目44位から大逆転優勝を果たします。私は布施峰の優勝に喜びを感じながらも「こんな事があるのか!」とPCのモニターに映し出される速報を見ながら言葉を失ったのを覚えています。リザルト確定直後に布施峰から話を聴く事ができ、この結果にご本人は「ちょっと笑えますね(笑)でも勝てるチャンスはあると思ってました」と。一本目終了後、応援する立場の私や現地に足を運んでいた布施峰後援会関係者は勝手に諦めムードになっていましたが、布施峰自身はしっかりと状況を分析し、勝算と逆転への気持ちを持っていました。私は常に布施峰の勝利を願う一人なのですが、それが故に「応援する姿勢」みたいなものを考えさせられた思い出深いレースです。

「一本目44位からの逆転優勝」という滅多にないこの日のレースは今でも野沢温泉カップの時期になると我々の語り種になっています。今年の野沢温泉カップはどんなレースになるのでしょうか。楽しみです。

2014-04-02 | Posted in New BlogsComments Closed